かけたりわったり(かえるの翻訳うらばなし)


MFU及びナポソロに関する、
日米における乙女の妄想文化についての比較研究

2001/03/22「#1 YAOIとSLASHについての考察」

 というか単に基礎知識的なことなんですが。
 まず「YAOI」から…そんな事はとうの昔から百も承知、二百も合点よという、主に私のお身内の方は読み飛ばすか、内容の甘さを指摘してください。

 元は『マ(山)なし、チなし、ミ(意味)なし』のしょーもない作品を指す、オリジナル同人界の隠語だったそうですが、今は主に『男性同士の関係(relationship between men)』に注目した、女性向け作品(同人乙女の妄想とも言う)を指します。
 英語でも[relationship]があるといえば、ほぼ肉体関係があることになる(例外はありますが)そうですが、YAOI本といえばやはりすなわちHONBANありの本のことになります。
 ヤマもオチもイミもないけどベッドシー…いや、肉体接触、ちがう、*愛*はあるのよ、という乙女の発想なんですね。
(早くもこのテーマを取り上げたのを激しく後悔中)

 ではそれ以外の女性向け同人誌(男性系については・専門外なので・パス)をどういうかというと、抽象的に論述してもつまらんでしょうから、MFUを例として仮定すれば、
1)健全本
 エピソード・ガイドやイラスト、ロバート=ヴォーン(以下RV)氏やデヴィッド=マッカラム(以下DM)氏についてのプロフィール、また各エピソードのつっこみギャグなど<欲しいなあ…。
 漫画や小説にするとしたら、例えばイリヤがN.Yに転任(かなんか)してきて、最初はナポさんとソリが合わなかったけど、やがて打ち解けてきて「よろしく、相棒」というような話とか。(もちろんそこに愛が生まれちゃいけません)

2)ノーマルカップリング本
 イリヤとマリオンがユーゴスラビアでデートする話とか、ナポさんとアンジェリークの危険な恋のカケヒキとか(ひゅーひゅー♪)。
…要するに男女間の恋愛関係を主体にした本。

3)ほのぼの本
 恋愛メインではありますが、肉体接触 (^^;; はせいぜいKiss止まり。
 イリヤのおたんじょーびにナポさんが『びっくりパーティ』をしてあげる話なんて――実際ありそうですね。
 かといって、そのあと「バースディプレゼントは、僕自身だよ」という展開は不可です。

 ではこのYAOIイコール海外におけるSLASHになるかというと、どうもそうではないようです。
 少なくともFile40に上がっているslash novelsには『ほのぼの』系もいくつかありました。
 要するに、ナポさんとイリヤが一応『できている(未来・進行形含め)』というシチュエーションがあればいいようで、内容のハードさは、NC-17:not for children under17(17歳未満禁止)とかPG-13:parental guidance suggested(13歳以下保護者同伴<どーやって?)など、アメリカ映画と同じ表示にしているところも、あります。
 ただこーいう制限のつけかた(rating)には、暴力表現や言葉が汚いといった要素も入るので、NC-17とついてりゃ皆ものすごくえっちな話、という訳でもありません。<経験者は語る…。

 実はつい最近まで、私もslashの意味がはっきりしなくて、MFUの場合敵方組織がTHRUSHなもんだから、そのモジリかと思ったりしてました。
 ようするに"/"『割る』の事だったんですね!
 正に目からウロコ!!
 ちゃっとでこれが分かった瞬間は、ヘレンケラーの「Water! 」気分でした。

 でも[SLASH]ってかっこいー言葉ですよね。私はどうも[YAOI]という字面や音感が好きではないので、「今度の本は超スラッシュなの♪」で通じるようになったらいいなと思ってます。

 さて、日本でもカップリング表記の時に○○×△△と表示し、『かける』記号の前に来るのが『SEME』、後に来るのが『UKE』だと現在は厳密に決まっております。
 なおかつ、その役割分担はかなり固定されたもので、組み合わせは一緒でも順列が違うと、同じパロディをやっている者どうしでも、まるで無視したりイガミあってたり…という話は、MFUでは全く関係ないので止めておきましょう。
 どうも国内の『ナポソロ』パロディはどっちもOK!らしいので。
 少数派で大人の多いジャンルって、こーいう所が嬉しいですね。
 本の絶対数が少ないのは非常に物足りなく寂しいことですが、何もかも不幸かといえばそうでもないような。

 ということで本コーナーのメインタイトルが「かけたりわったり」なわけです。
 にしても、どうして『割る』んでしょうかね??
 かけるというのは『かけあわせ』なわけだから何となく判る?んですが。



2001/03/29「#2 受攻とTOP&BOTTOMについての考察」

 ええとつまり、『ベッドにおける役割分担』を表現する言葉についてでございます。
 今度のはたいへん形而下的なテーマなので(げらげら)、まず下表をご参照下さい。

SLASH(+gay)YAOI 本物(男)本物(女)本物、というのは実生活において同性の恋人を持っている日本人を指しています。
差別的ニュアンスのある言葉を使いたくないので、こんな持って回った言い方になりましたが、もし《こう言うべきだ》というご意見がありましたら是非お知らせ下さい。(真剣よ)
TOP(fucker)タチ男役
BOTTOM(fuckee)ネコ女役
 
 まあYAOIでも「うえ」「した」という言い方をすることもありますし(過去形かも)、日本のゲイピープルも「受攻」という言い方を逆輸入してご使用になりつつあるそうです。
 その理由は「便利だから」…ううむ、言葉ってそうやって伝え広がって行くんですね〜(感動)。

 さて、言葉の点では完全に並行して翻訳できるのですが、絶対的に違うのは、SLASHでは、大多数の場合においてその役割が流動的、かつあいまいであることです。
 と言うより、日本の「YAOI」があまりにも固定されすぎているのかも知れません。
 女性の空想としては、やはりきっちり分けて考えた方が都合がよいのか、または日本古来の主従関係をそのまま移行させた「衆道」の伝統を踏んでいるのか…抽象論はたるいのでパス。

 実はわたくし、このslashはリバーシブル(受攻交代)OK!というのが非常に気にいっています。
 いーじゃないですか同じオトコ同士なんだし、気分と状況で色々楽しんでも!
 特にナポさんとイリヤは、どっちもとってもかわいいし、かっこいいし、色っぽいしオトコ前で(以下省略)、部下と上司という雰囲気は皆無だし、年齢差だってそんなにないみたいで。
 これは個人的意見(世界で私一人かも)ですが、RV氏とDM氏がひとつ違いなわけだから、NSとIKもその程度でいーだろと思ってます。

 Slash読んでると、同じ作者さんが逆パターンの話載せてたり、同じ話、同じシリーズの中でリバーシブルだったり、雰囲気的にはこっちがTOPなんだけど、やってることは区別がつかなかったりでまぁ面白いのなんの!

 そう、この「区別がつかない」状況が多いのもslashの特徴でしょうか。
 ゆわばORALとかNECKINGだけで、PENETRATING抜きのMAKE LOVEが頻繁に出て来ますね。(いいかげん恥ずかしいので英単語のままにしときます。)
 私は何せ色々読みたいクチなので、NS/IKばかりが続くと(やっぱりslashでもこっちの方が多い)今度はIK/NSが読みたい♪とか思うのですが、そのへんの表示がFILE40には出てないのが不便だなーという気はします。

 これがYAOIだと、カップリングと受攻の記載は絶対不可欠なんですが。
#だってコ○ケの参加書類にも「なるべくはっきり記入して下さい」って載ってるんですよ。

 でも、区別つけられないんじゃ記載のしようが無いですもんね。

 最初にFILE40にアクセスして、slashページを開いて、タイトルとその内容を拾い読みしていった時、あまりのvarietyにたまげてキーボードの上につっぷし、
『ああ、大変だけど頑張ってねぇお二人とも〜〜』
 と涙ながらに独り言をゆっていました。今でもその気持ちは一緒です。
 
 そういえばH切さんから借りた、カラーエピのコマーシャルにもあったなあ、
「好きです。元気でいてください」 って。


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